アメリカの探偵と日本の探偵の意外な共通点と違いを解説

アメリカの探偵と日本の探偵の意外な共通点と違いを解説


アメリカと日本の探偵業には、共通点もあれば違いもあります。
今回は、アメリカの探偵と日本の探偵の業務や行使できる権利などに注目しながら、両国の探偵の違いを簡単に解説していきます。

アメリカの探偵と、日本の探偵の違いとは?

まずは、アメリカと日本の探偵の違いについてみていきましょう。

・アメリカと日本の探偵の違い1 探偵の起源・歴史

アメリカで初めての探偵事務所はピンカートン探偵社で、1852年に誕生しました。ピンカートン探偵社は、あらゆる調査を行い、リンカーン殺害計画を未然に阻止したことでその名を轟かせました。
一方、日本に初めて探偵事務所ができたのは、それから約30年後の1889年のことです。しかし、「探偵」という役割は古くは江戸時代からあり、同心や岡っ引きといった警察関係のことを指していましたが、探偵事務所が出来てからは私立探偵のことを「探偵」と呼ぶようになりました。

・アメリカと日本の探偵の違い2 ライセンス(免許)の有無

アメリカと日本の探偵のもっとも大きな違いは、ライセンス制か否か、という点でしょう。日本の探偵事務所は、ライセンスは必要ありませんが、アメリカの場合、探偵になるのにライセンスが必要になってくるのです。ライセンスをとるためには試験を受ける必要があり、合格率は50パーセント前後と、簡単に獲得できるものではないことが見て取れます。アメリカでは探偵=有資格者なので、日本よりも探偵に対する信頼が厚いことが多いようです。日本ではライセンスを取る必要がないので、基本的には届出さえだせば誰でも探偵を名乗ることができます。

・アメリカと日本の探偵の違い3 銃の所持が可能かどうか

アメリカは銃社会です。州ごとにルールは異なりますが、一般市民であっても銃を保持していることは珍しくありません。州によっては探偵も同様に、銃の保持が認められています。しかし、日本で銃を保持していれば、銃刀法違反で捕まります。それは探偵でも同じです。日本では、探偵だからといって銃を保持していいというような、特別な許可は与えられていません。これは当然です。なぜなら、日本は探偵に誰でもなれるからです。

・アメリカと日本の探偵の違い4 特別な権限があるかないか

アメリカの探偵には特別な権限が与えられますが、日本の探偵には特別な権限はありません。アメリカの場合、実務経験をつんだのち、ライセンス取得のための試験を受けます。試験に合格しライセンスを手に入れることができれば、銃の保持の権限が与えられます。また、調査に必要な情報を警察で入手できるという特別な権限も与えられます。また、前科者リスト、社会保障登録番号からの情報検索、公共料金などの個人データの管理情報、さらにはクレジットカードの明細や履歴までを知る権利が与えられるのです。つまりアメリカの探偵には、警察に準ずる特別な権限が与えられているのです。
ただし、アメリカ国内でも、州によっては探偵がこのような特別な権限を持っていないところもあります。

アメリカと日本の探偵の取扱い業務の具体的な違い

アメリカの探偵は、日本の探偵よりも取り扱い業務の幅が広い、という特徴があります。
日本の探偵は、浮気調査、人探し調査、結婚前調査などが主な業務です。アメリカの探偵もこういった業務は行います。それにプラスして、雇用調査、企業内での犯罪調査、企業身長調査、保険金詐欺の調査なども行います。警察で情報を得られる権限が与えられているため、事件を調査することも珍しくないのです。
一方、日本では、刑事事件に関する調査は基本的には警察に一任されており、探偵にはなんの権限も与えられていません。

 

アメリカと日本の探偵の共通点とは?

これまでアメリカと日本の探偵の相違点をご紹介してきましたが、当然、共通点もあります。

一般の人が思い描くイメージ

探偵にはアングラなイメージがあります。アメリカや日本のドラマで描かれている探偵を見れば明らかなように、アメリカでも日本でも一定の共通イメージがあるようです。「探偵」といえばトレンチコートを着てパイプを吸い、警察と協力して推理で事件を解決する、というイメージは万国共通です。

探偵学校がある

アメリカでも日本でも、探偵を養成する学校はあります。日本はあらかじめ、探偵という仕事に役立てるための技術や知識を学ぶための探偵学校があります。
そしてアメリカの場合は、ライセンスの合格を目指した試験対策や、実技の訓練のための探偵学校があります。日本もアメリカも、探偵になるために学校に通う人が少なくないのです。

体力勝負で隠密的な仕事

体力勝負で秘密保持が大切な仕事、というのも日本、アメリカ共通です。
調査は昼夜を問わず行われます。そのため、体力勝負なところはアメリカも日本も同じで、やはり業界的に男性が多くなっています。ただし、ダイレクトに人の役に立つ仕事なので、誇りを持って勤めているでしょう。

どちらの国の探偵も一長一短

今回は、アメリカと日本の探偵業務の違いをご紹介しました。ご紹介したように、日本の探偵は、アメリカの探偵と違って、ライセンス(免許)を必要としないため、与えられている特別な権限もなく、業務の幅も狭い傾向にあります。
ですから、ドラマで描かれているような事件を追うような仕事に憧れているならば、日本では探偵を目指すのではなく、警察を目指す方が現実的だと言えるでしょう。

日本の探偵に与えられている特別な権限はありませんが、だからといってアメリカの探偵の方がやりがいがある素敵な仕事だ、とは一概には言えません。なぜなら、アメリカの探偵には銃の保持が認められ、危険な調査をすることもあるからです。その点、日本の探偵の方が安全です。
どちらの仕事も一長一短だと言えるでしょう。

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