盗聴と傍受の違い|盗聴器の傍受は犯罪?
- 2019/9/9
- 盗聴器の調査
盗聴と傍受の違い|盗聴器の傍受は犯罪?
無線通信を傍受し、他人の会話や、業務無線を聞いたりすることが趣味だ、という人がいます。
ここで、ちょっと疑問に思う人もいるのではないかと思います。
「無線の傍受って、つまりは他人の会話を盗聴しているってことでしょ。それって犯罪にならないの?」と。
実際には、無線の傍受をしただけでは犯罪にはなりません。
今回は、盗聴と傍受の違い、および、それぞれが犯罪になるか否かについて簡単に解説していきたいと思います。
無線を趣味にしたいけれど、違法行為にならないか心配、盗聴器を使って調査したいことがあるけれど、犯罪者にならないか心配、などの懸念をされている方は本記事をぜひ参考にしてみてください。
盗聴と傍受の違いってなに?
盗聴とは、他人の会話、通信などを、気付かれないよう、能動的に聴取、録音する行為です。
一方、傍受とは、他人の間で行われている通信を、許可なく受信して聞く行為です。
有線、無線どちらにもありえますが、無線の傍受が主と言えるでしょう。
盗聴と傍受には「自ら盗聴器を仕掛けるか、他者が行っている通信を受けるだけか」という大きな違いがありますが、違いはそれだけではありません。
それ以外にも、細かな違いが様々ありますので、以下で、その差異について解説していきます。
無線の傍受は違法?合法?
まず無線の傍受について。他人の会話を許可なく聞くなんて違法なんじゃないか、と思われる方も多いでしょう。
ですが、実際には、法的に制限されていません。無線の傍受は合法なのです。趣味として無線を利用し、傍受することは認められています。
ただし、それによって知った情報を第三者に漏らした場合は電波法違反、得た情報を使って相手を脅迫した場合、恐喝罪、脅迫罪、強要罪などの罪に問われます。
無線の傍受はあくまで個人で楽しむもので、それによって得た情報を他者を害するために使うことは許されていません。
また、災害時に情報を得るため、無線の傍受を行うこともあります。
盗聴は違法?合法?
盗聴は当人らに知られないように音や声をひそかに聴取、録音する行為です。
日本では、盗聴器の売買は合法です。そのため、ネットなどでも気軽に盗聴器を購入することが可能です。
ですが、仕掛ける場所や使い方によっては罪に問われたり、不法行為として責任を問われてしまう可能性もあります。
たとえば、他人の私物にしかけて盗聴を行ってしまったら、プライバシーの侵害になる可能性があります。
他人の敷地内に仕掛けた場合は、住居侵入罪に問われる可能性もあります。
また、傍受と同様に、盗聴で得た情報を他人にしゃべったり、その情報を使って他人を脅したりすることで、罪に問われる可能性もあります。
ちなみに無線盗聴器は、無線機とほぼ同じ仕組みをしています。
ですから、無線の通信を傍受できるのと同じく、盗聴器を仕掛けた当人以外でも、盗聴器から流れる音声を傍受可能です。
それは犯罪とはみなされません。
盗聴と傍受、罪に問われないボーダーラインとは?
前の項目で、盗聴も傍受も、場合によっては罪に問われてしまう可能性があることに触れました。
改めて、そのボーダーラインを以下で解説します。
1 情報を第三者にもらさない
これは盗聴、傍受いずれにも言えることですが、これらの手段で手に入れた情報を他者に漏らしてはいけません。
電波法で刑事罰を受ける、プライバシーの侵害で民事訴訟にもつれ込む、など、様々なリスクが考えられます。
まして、手に入れた情報で他人を脅すなどはもってのほかです。
2. 仕掛ける場所は自分の持ち物
こちらの項目は、盗聴を行わざるを得ない場合です。盗聴器を仕掛ける場所は、自分の家、自分名義の車、など自分の持ち物のみにするべきでしょう。
他人の持ち物や敷地内に盗聴器を仕掛けようとすると、その過程で様々な罪に問われる可能性があります。例えば配偶者の不倫の証拠集めで、不倫相手の自宅に盗聴器をしかけて、不倫の証拠となる音声がとれたとします。このような過程で証拠がとれても、住居侵入罪、プライバシー侵害などで逆に訴えられしまい、肝心の不倫の証拠についても、違法な方法で得た証拠だから、と却下されてしまう可能性もあります。リスクばかりが大きく、役立つものが何も得られない可能性も十分にありえます。
盗聴と傍受の法的なボーダーについて、最低限の知識は身につけておこう
今回は、盗聴と傍受の違いと、違法にならないボーダーラインを解説してきました。
盗聴も傍受も、踏み越えてはならない法律があります。あくまで趣味の範囲で行うのなら、どのラインを超えたら法律違反になってしまうのか、について、十分知っておく必要があるでしょう。